強盗事件や殺人事件で犯人が捕まらずに逃げ切った、とよくニュースで耳にする時効。この「時効」は借金にもあります。
そんなことを聞くと、「借金があるけど時効まで逃げ切ればチャラだぜ!」と考えたくなりますよね。でも世の中そんなに甘くありません。実は借金を時効で逃げ切ることはとてもむずかしいのです。
なぜなら借金の時効は期限が来ただけでは自動的に成立せず、わずかでも返済の意思を見せれば時効はゼロカウントに更新されるからです。おまけに、返済の意思を見せなければ取り立ては厳しくなります。
この記事では借金の時効成立がむずかしい理由と関連する注意点をまとめています。この記事を読むと、借金を時効で逃げ切ろうという考えは捨てたほうが良いと理解できます。
結論は時効で借金を逃げ切るのはとてもむずかしいので、コツコツ借金を返していく、もしくは、債務整理など合法的に借金を減らす方法に向かうべきだということです。それでは進めていきましょう。
1. 借金の時効とは?
借金の返済に関する法律は、われわれのような多くの一般人にとってあまりに難しいものとなっています。その中でも「借金の時効」という言葉を耳にすることがあります。その意味や仕組みを理解することは、借金問題を抱える人々にとって重要です。
1.1 時効の基本的な概念とは?
「時効」とは、法的な請求権が一定の期間を経過することで消滅する制度のことです。請求権が消滅するというのは借金で言えば、貸し手(消費者金融など)が借り手(あなた)への支払いを要求できなくなるということです。
この制度は、貸し手(たとえば消費者金融)が長期間にわたって借り手に借金の返済を求めることを防ぐために存在しています。借金の時効も、この制度の一環として考えられています。
1.2 借金の時効に関する基礎知識
借金の時効が成立するためには、いくつかの基本的な条件をクリアする必要があります。まず、何よりも借金の最終返済日から一定期間が経過している必要があります。つまり、ずっと借金の返済をしていない状態であることが必要というわけです。
この期間は基本的には5年です。あなたが最後に借金返済をしてから5年以上ずっと返済をしていないという状態でなければ、時効になる可能性はありません。
ちなみに2020年4月1日に民法が改正され、2020年4月1日以降に発生した借金はすべて5年が条件です。ただし、それ以前に発生した借金の場合、一部は10年のものがあります。詳しくは第2章で述べます。
2. 借金の時効の成立条件は3つ
借金の時効が成立するためには、3つの条件が整う必要があります。ここでは、借金の時効が成立するための条件について詳しく見ていきましょう。
2.1 最終返済日から5年以上、一度も返済していないこと
借金の時効が成立するための一つ目の条件は、最終返済日から5年以上、一度も返済していないことです。
借金の時効成立には、借金の最終返済日から一定の期間が経過している必要があります。厳密にはこの期間は借金の種類によって異なります。しかし、ほとんどの人は5年で考えればOKです。(最終的に時効援用する場合は法律の専門家にお願いする必要が出てきますので、その時に厳密なチェックはしてもらえば良いです。)
細かいことを補足説明すると、2020年4月1日に民法が改正され、2020年4月1日以降に発生した借金はすべて5年が条件です。
2020年3月31日以前に発生した借金については、借金の種類によって条件となる最終返済日からの経過期間が異なります。消費者金融の借金の場合は5年で、借金に苦しんでいる人の多くはこの5年に該当します。
一方で例外的なのは2020年3月31日以前に発生した借金のうち、信用金庫、農協、住宅金融支援機構、日本学生支援機構などで借りたものです。この場合は10年となります。ただ、これらの機関はお金を貸す用途も限定しています。そのため、一般的な借金に苦しんでいる人のほとんどは10年には該当せず、5年の期限となっています。
2.2 最終返済日から、5年以上一度も返済の約束をしてないこと
二つ目の条件は最終返済日から、5年以上一度も返済の約束をしてないことです。
上記2.1で述べた返済はしていないというあなた。電話や書面で返済の約束をしていないでしょうか?実は実際にお金を返していなくても、返す約束をするだけでも法律的には返済の意思ありとみなされてしまいます。
「今お金がないので待って下さい」も返済の意思ありとみなされます。5年間待って下さいと言い続けて逃げ切れば良いかというと、そんなことはありません。
返済の約束や意思表示をすると、時効のカウントは更新されゼロに戻ります。電話や書面などで返済の約束をしてしまうと、その時点から5年経過しなければ時効は出来なくなります。
なお、借りている相手からハガキ、封筒、書留、レターパックなどで請求書などが送られてきても時効にはまったく関係ありません。「督促状」「催促状」「最終警告書」など、業者によってさまざまな名前の書面を送ってきます。
なるべくあなたの不安を煽るような怖い名前で送って来ます。でも、これも時効には関係ないので、事項成立を目指すなら支払いも意思表示も一切しないことです。
問題は、そのような通知に驚いて業者に電話してしまうことですので、昔に延滞した業者から請求書が届いたらまずは法律の専門家に相談することです。
2.3 相手から、裁判を10年以上起こされていないこと
3つ目の条件は相手から裁判を10年以上起こされていないことです。相手から裁判を起こされると、また時効成立がむずかしくなります。
まず裁判を起こされると、たとえ5年が経過したとしても、その請求が終了するまでは時効は成立しないと民法で決まっています。一度裁判をされて判決が確定すると、5年で時効になるはずの借金も判決確定から10年経過しないと時効にならなくなります。
ただ、一度裁判をされてもその判決確定日から10年経過した時点で、再度消滅時効手続きは可能となります。昔裁判をされてしまっていたとしても10年以上経っている場合は時効成立の可能性があります。
借金の時効が成立するかどうかは、あなたの具体的な借金の状況によって異なるため、専門家のアドバイスを受けることが大切です。
3.借金の時効成立が難しいとされる理由
ではなぜ借金の時効は成立がむずかしいのか?その理由は、さまざまな条件をクリアしなければならないためです。この章では時効成立がむずかしいポイントを詳しく説明します。
3.1 借金の時効成立条件が厳しい理由
3.1.1 消滅時効のタイミングを迎えただけで時効が成立するわけではない
借金の時効が成立するには、消滅時効と呼ばれる特定の期間(通常は5年)が必要です。しかし、この期間が過ぎるだけで自動的に時効が成立するわけではありません!第4章で詳しく説明しますが、時効援用という手続きが必要です。
この仕組みは、債権者(貸し手)の権利を守るために設けられています。つまり、時効の期間が経過しても、あなたの借金返済の義務が自動的になくなるわけではないのです。
3.1.2 わずかでも返済する、もしくは返済の意思を示すだけでも時効が更新される
びっくりされるかもしれませんが、借金の時効が更新されることがあります。たとえ少額であっても返済したり、返済の意思を示したりするだけで、時効のカウントがリセットされます。
「今は返せないけど返します」「ちょっと待って下さい」などは全て返済の意思表示とみなされます。
このため、借金を放置している場合でも、一度でも返済行動を示すことで、時効が成立しづらくなるのです。
3.1.3 返済の意思を示さず無視し続けると取立てや差し押さえが行われる
借金を放置し続けると、貸し手は法的手段を使って借金回収を試みることがよくあります。返済の意思を示さずに無視し続けると、債務者の資産が取り立てられたり、差し押さえられたりする可能性があります。
時効成立が難しいゆえに、借金を抱えている人は借金問題に早めに向き合うことが重要です。
3.2 一部の借金で時効が成立しにくい事例
一部の借金において、時効の成立が特に難しいケースが存在します。長期間にわたる高額の借金は目をつけられやすくなりますので、時効成立がむずかしくなります。
また、詐欺行為や事件絡みの借金の場合、時効成立がむずかしくなったり、成立するとしても時期が遅れたりすることがあります。
また、第2章でも述べた通り裁判など法的手段が取られている場合も、時効が成立しなくなることがあります。こうしたケースでは、専門家のアドバイスが不可欠です。
3.3 時効援用が難しい場合の対処法
ここまで、時効成立がとても高いハードルだということを説明してきました。では時効成立が難しい場合、あなたはどのような対処法を検討すべきでしょうか。
まず最初に、専門家のアドバイスを求めることが重要です。弁護士や司法書士などと連携することで、個々の状況に合わせた最適な解決策を見つける支援を受けることができます。
また、すぐの返済がむずかしいとしても、この先の返済の意思を示すだけでも価値はあります。債務整理の手続きを検討することも有益です。専門家と協力しながら、適切な道を選択することが大切です。
3.4 債務整理が時効成立を難しくする要因
最後にちょっと複雑なパターンについてです。時効成立も債務整理もどちらの可能性もある人の場合はちょっと注意が必要です。債務整理は借金問題を解決する手段の代表例ですが、時効成立を難しくする要因にもなり得ます。
例えば、個人再生や特定調停などの手続きを行った場合、その間は時効が中断されることがあります。債務整理を検討する際には、この影響を考慮することも必要です。
専門家のアドバイスを受けつつ、最適な解決策を模索しましょう。
まとめると、借金の時効成立は厳しい条件と複雑な要因によって制約されている、かなり高いハードルだと言えます。それでも第2章に書いた条件をクリアしていると思う人は専門家にコンタクトしてみて下さい。
4. 時効援用の手続きと流れ
第3章で借金の時効成立が難しい理由を理解しましたが、もし成立が見込めるとなった場合でも、自動的に時効が成立するわけではありません。「時効援用」という手続きが必要になります。ここでは時効援用の具体的な手続きと流れについて説明します。
4.1 時効援用の基本的な手順
事項援用の基本的な手順は以下の3ステップとなります。
1. 専門家への相談
まず最初に、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。自身の状況を詳しく話すことで、最適なアドバイスを受けることができます。プロの視点から時効が成立できそうか、そもそも時効援用がベストな解決策か、などを判断し手続きの方針を決定します。初回相談なら無料という法律事務所もあります。
2. 債権者との交渉
専門家の指導のもと、債権者(貸し手)との交渉を行います。こちらから時効援用を提案し、債権者との合意を目指します。交渉ごとなので、相手が合意してくれないと時効は成立しません。この際、過去の返済状況や返済意思の有無などが考慮されます。このプロセスも専門家のアドバイスの元で行います。
3. 時効援用の手続き開始
債権者との交渉がまとまったら、時効援用の手続きが開始されます。必要な書類の準備や手続きの手配を専門家と共に進めます。ここも専門家に委ねます。シロウトが自分でやろうとすると失敗するリスクがありますので、とにかくプロに任せましょう。
4.2 時効援用の手続きにかかる費用
時効援用の手続きには、一定の費用がかかります。具体的な費用はケースバイケースで異なりますが、安いところだと3万円程度から、内容次第ですが10万円を超えるところもあります。あなたの借金状況によって必要な内容が変わってくるので金額と条件(どこまでやってくれるのか)は専門家に問い合わせするのがベストです。
かかる費用の内容としては、時効援用に関する専門家の報酬や手続きに伴う諸経費がメインです。また、裁判所への申し立てに伴う費用も発生することがあります。専門家との契約時に費用についての詳細な説明を受け、合意した上で手続きを進めることが大切です。
時効援用の手続きは、借金問題を解決する有効な手段の一つですが、費用についても事前によく理解しておくことが重要です。専門家の助言を受けながら、適切な判断を下すことが、円満な借金解決への一歩となるでしょう。
お金をかけたくないという理由で自分で書類を書いて提出しようとする人もいるようですが…アドバイスをくれる人が身近にいるならまだしも、専門知識を必要とされる法律手続きを、専門家の助けなしにシロウトが自力でやるのはかなり厳しいとぼくは思います。お金はかかりますが専門家に依頼しましょう。
まとめると、時効援用の手続きと流れを理解することで、借金問題の解決に向けた方針を立てる際の手助けとなるでしょう。専門家の助言を活用し、適切な方法を選ぶことが大切です。
5. 時効援用をする場合のメリットとデメリット
借金問題を解決する選択肢として時効援用があることは理解しましたが、この章では時効援用のメリットとデメリットについて詳しくご説明いたします。
5.1 時効援用のメリットとデメリット
5.1.1 時効援用のメリット
借金が免除される
時効援用が認められれば、借金が免除されます。借金が免除されれば、取り立てもなくなります。これが最大のメリットです。
信用情報ブラックリストからの削除
借金を滞納していると、信用情報にブラックリストとして登録されてしまいます。しかし、時効の援用が成立した場合、(全てではないものの)ブラックリストから削除・訂正されます。
代表的な機関としてはJICC(日本信用情報機構)、CIC(株式会社CIC)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3つがあります。いずにおいても時効成立の場合にはあなたのブラックリスト情報は削除・訂正されることが多いです。万が一あなたの信用情報が残ったままの場合は自分で削除や訂正を請求することもできます。
時効の援用は、もちろん借金の返済義務が無くなることが最大のメリットですが、時効が成立した場合は信用情報が訂正(ブラックリストから外せる)出来ることも大きなメリットです。
5.1.2 時効援用のデメリット
督促が再開してしまう
なんらかの理由で債権者(貸し手)が請求を忘れていることがあります。そんな相手に時効援用の書類を送ると、それによって相手が請求忘れに気づき、請求が再開される可能性があります。
時効が成立しなければ返済の義務は消滅しないため、長期間滞納していた場合は「督促状」「催告書」など、怖い名前での文書を送ってくることが考えられます。さらに長期にわたり滞納をしていると、裁判所から「支払督促」や「訴状」が特別送達という特殊な郵便で届く場合があります。
支払督促が届いても返済せず、一定期間内に異議申立てをしないと、財産差押えの強制執行となる場合があります。このように、眠っていた相手を起こしてしまうリスクがあります。
遅延損害金が返済額に加算され続けてしまう
時効を成立させるためには長期間滞納することになります。しかし滞納をしている期間は遅延損害金が加算され続けます。
もし時効が成立すれば、遅延損害金を含めたすべての借金が帳消しになります。しかし、失敗した場合は長期間分の遅延損害金が上乗せされることになり、返済額が増える可能性があります。
過払い金請求ができなくなる
ちょっと複雑ですが過払い金請求と時効援用をどちらも検討している人のパターンです。
時効援用の手続きをすると、過払い金請求(法律で定める上限を超えた不当な金利を支払った場合に、払い過ぎた金利分を取り戻す請求)ができなくなる場合があります。
借金が残っている状態での過払い金請求は借金の存在を認めたことになり、時効が更新されます。時効が更新されるとそこから取立てが始まるため、時効援用は難しくなるでしょう。
過払い金請求と時効援用のどちらが自分にとってメリットが大きいのか判断が必要です。
5.2 時効成立後の借金の扱いと影響
時効成立後、借金はどのように扱われるのか詳しく見ていきましょう。
時効が成立すると、その債務に関する法的な請求権は消滅します。つまり、債権者(貸し手)はその借金を請求する権利を失います。一方で、債務者(あなた)にとっては、その借金についての返済が免除されます。
しかし、たとえ時効成立後であっても相手から法的措置が取られる可能性は常にあることを覚えておきましょう。誰だって「貸した金は返せよ」と言ってくるのが普通ですからね。時効成立していれば恐れる必要はありませんが、あの手この手を使って借金返済を求めてくる可能性があることは覚えておきましょう。
5.3 時効援用が失敗した場合の影響と解決策
では逆に時効援用が失敗した場合、どのような影響があるのでしょうか。また、その際の解決策についても見ていきましょう。
時効援用が認められなかった場合、元の借金はそのまま残ります。そして債権者(貸し手)は引き続き取り立てなどで借金の回収を全力でしてくるでしょう。
この際、債務者(あなた)は専門家のアドバイスを受け、債務整理や再交渉などの方法を検討することが重要です。時効援用が失敗しても、決してこの世の終わりではありません。適切なアクションを取ることで借金問題の解決へ進むことができるはずです。
まとめると、時効援用にはメリットとデメリットがあります。時効成立後の借金の扱いにも注意が必要ですが、失敗した場合でも適切な解決策を専門家と連携して探ることが大切です。信頼できる専門家のアドバイスを受けながら、ベストな方法を選びましょう。
6. 債務整理の選択肢とその特徴
前章までで時効援用について詳しく学びましたが、借金問題を解決する別の選択肢として「債務整理」があります。ここでは債務整理の基本的な情報と、それぞれの種類について解説します。
6.1 債務整理の基本と種類
債務整理とは、借金問題を整理し、返済の軽減や免除を図る手続きのことです。債務者と債権者の合意のもと、法的手続きが行われます。
債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」「特定調停」の4種類があります。それぞれの概要を以下に説明します。
6.2 任意整理とは
「任意整理」は、債務者と債権者が話し合い、借金の返済方法を再調整する手続きです。
債務者の返済能力に合わせて返済額や利息を減額することが可能です。任意整理は裁判所を介さないため、専門家のアドバイスを受けながら進めることが重要です。
6.3 個人再生とは
「個人再生」は、債務者の収入や資産を元に、一部の借金を免除したり返済計画を再構築する手続きです。特に長期間にわたる借金問題に対して有効な方法であり、裁判所の審査を受けることが必要です。
個人再生を検討する場合は、専門家に相談して適切なプランを立てることが大切です。
6.4 自己破産とは
「自己破産」は、債務者が全ての借金を免除される手続きです。借金問題が深刻で、他の債務整理方法では解決が難しい場合に考えられます。
ただし、資産や所得の一部が処分されることがあり、信用情報への影響が長期間残る点に注意が必要です。自己破産を検討する際には、専門家に相談してリスクやメリットを十分に理解しましょう。
6.5 特定調停とは
「特定調停」は、債務者と債権者が裁判所を仲介役として借金問題を解決する手続きです。
任意整理と同様に、返済額や条件を再調整することが可能ですが、裁判所の審査が入るため公正な取引が求められます。特定調停を検討する際には、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
まとめると、債務整理は借金問題を解決するための重要な手続きです。任意整理、個人再生、自己破産、特定調停といった種類があり、個々の状況に適した方法を選ぶことが大切です。専門家のアドバイスを受けながら、将来に向けた健全な財政状態を築く一歩を踏み出しましょう。
7. 債務整理を検討する際のポイントと注意事項
債務整理を検討する際には、慎重な判断と正しい情報収集が必要です。ここでは、専門家に相談するメリットや債務整理を行うことの影響とリスクについて詳しくご説明します。
7.1 専門家に相談するメリット
債務整理を検討する際、専門家に相談することの重要性を考えてみましょう。
7.1.1 専門的なアドバイスの提供
債務整理は複雑な法的手続きを伴うため、専門家のアドバイスが不可欠です。専門家は個々の状況に合わせて最適な解決策を提案し、適切な方法を選ぶ手助けをしてくれます。
7.1.2 法的権利の保護
専門家の助言を受けることで、債務者(あなた)の法的権利が保護されます。適切な手続きを踏むことで、債権者の取立てや差し押さえから守られることが期待できます。
7.1.3 債務整理の種類の選定
専門家は債務整理の種類や条件を熟知しており、債務者の状況に合わせて最適な選択肢をアドバイスしてくれます。任意整理、個人再生、自己破産など、どの方法が最適かを判断するのに役立ちます。
7.2 債務整理を行うことの影響とリスク
債務整理を行う際には、影響やリスクも考慮する必要があります。
7.2.1 信用情報への影響
債務整理の内容によっては、信用情報に記録が残ることがあります。これにより、将来の金融取引に影響を及ぼす可能性があります。良好な信用スコアを保つことの重要性を理解しましょう。
7.2.2 資産や所得の影響
特に自己破産の場合、一部の資産や所得が処分される可能性があります。これにより、将来的に生活に影響を及ぼすことがあるため、計画的な判断が求められます。
7.2.3 他の選択肢との関係
債務整理は、その他の選択肢と関連することがあります。例えば、時効援用や過払金請求の選択肢ができなくなったり、複数の選択肢の中で判断をまちがって悪い選択肢を選んでしまう場合があります。専門家との相談を通じて、最適なアプローチを見つけましょう。
まとめると、債務整理を検討する際には専門家の助言を活用することが重要です。専門家に相談することで、最適な方法やリスクを理解し、安心して債務整理に取り組むことができます。将来の財政状況を考慮し、負担の少ない方法を選ぶことが、円満な借金問題解決への一歩となるでしょう。
8. まとめ:借金の時効を考える際のポイントと注意点
ここまでの記事で、借金の時効に関する基本的な情報や検討すべきポイントについて詳しく見てきました。借金の時効成立は簡単ではなく、慎重な判断と正確な情報収集が必要です。そこで、最終章ではまとめとして借金の時効を考える際のポイントと注意点を再確認しましょう。
8.1 借金の時効援用を検討する際のポイント
借金の時効援用を検討する際に留意すべきポイントを簡潔にまとめます。
8.1.1 時効となるタイミング
借金の時効援用を考える際には、時効となるタイミングを正確に理解しましょう。時効が成立していない限り、援用は難しいことを覚えておきましょう。
8.1.2 返済意思の有無
時効援用においても、返済意思を示すことで時効が更新される可能性があります。時効成立は貸し手が借金回収を諦めてチャラにしてくれるということですから、簡単なことではありません。わずかな行動でも時効が更新されることに注意しましょう。
8.2 借金の時効援用が適切なケースと注意点
借金の時効援用の適切なケースと注意点を整理してまとめます。
8.2.1 時効援用が適切なケース
時効援用は、条件が揃っている場合には有効な手段です。例えば、長期間返済を行っていない場合や、債務者との連絡が途絶えている場合などが考えられます。
しかし、時効成立は簡単ではなく、正確な時効時期の確認が求められます。あなたが抱えている具体的な状況を専門家に相談してアドバイスを得ることが重要です。
8.2.2 注意点とリスク
時効援用には注意が必要なポイントがあります。信用情報への影響や、他の選択肢との関係性を理解しましょう。また、時効援用が失敗した場合のリスクについても意識しておくことが重要です。
総じて、借金の時効援用を検討する際には、借金の時効成立はむずかしいという点を踏まえつつ、慎重な判断と専門家のアドバイスが不可欠です。
あなたの状況に合わせて最適な方法を選び、負担の少ない解決策を見つけることが大切です。専門家のアドバイスを受けながら、より良い未来を築く一歩を踏み出しましょう!
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